BACKGROUND
これまでの経験と入社背景について
まず、これまでのご経歴を教えてください。
以前は大学病院の消化器外科と内科の混合病棟で、3年間看護師をしていました。手術前の処置や手術当日の観察に加えて、人工肛門(ストーマ)の装具を交換する方法をご本人に指導したり、末期がんの方の痛みを抑える麻薬を管理したりと、急性期から終末期までの患者様を担当していました。
訪問看護に興味を持ったのは、いつごろですか。
実は、看護学生のころから興味はあったんです。きっかけは実習で、訪問看護ステーションの看護師に同行してご自宅を回ったことでした。ご利用者さんと一緒に大きな声で歌っているのを見て、看護師の関わり方にはこんなに幅があるのかと驚いたんです。いつか自分もやってみたいと思うようになりました。
ただ、体の拭き方から点滴の入れ方まで、ひと通りできるようになってからでないと自分には早いと思い、まずは幅広く経験できる大学病院に最低3年、と決めて入職しました。
実際に転職を決めたきっかけは何でしたか。
病棟には、退院後も自宅で医療処置が必要な患者様が多くいました。その方々を見て「退院後は、家でどう処置をされるのだろう」と考えるようになったのが直接のきっかけです。ちょうど決めていた3年が経ち、ひと通り経験できた実感もあったので、訪問看護の道に進むことにしました。
グッドライフケアを選んだ決め手は何でしたか。
友人がグッドライフケアで働いていて、その紹介で知りました。決め手は、働き方を選べたことです。私は入社の時点で、1、2年後に出産を考えていました。なので、「夜間や休日の緊急連絡当番なし」「土日の休みを選べる」といった働き方を、入社のときから選べることが大きかったです。

REALITY
訪問看護の仕事のリアル
現在は、どのような一日を過ごしているのですか。
1日に4件前後、自転車でご利用者さんのお宅を回っています。1件あたりの滞在時間は60分ほどです。ケアの内容はその方によってさまざまで、ご自宅で健康状態の観察がメインの方から、寝たきりで毎日点滴が必要な方まで幅広く担当しています。
具体的には、1週間分の薬を内服カレンダーにセットしたり、転倒の心配がある方のシャワーを介助したり、排便のコントロールやおむつ交換をしたりもします。
杉浦さんはライフ型を選ばれているそうですが、働き方を詳しく教えてください。
ライフ型は、夜間や休日の緊急連絡当番がなく、土日も休める働き方です。今は8時45分から15時30分までの勤務で、この時間より後にシフトが入ることはありません。もともとは17時ごろまでの勤務でしたが、出産を機に産休・育休を1年取り、時短勤務で復帰しました。
時期によって訪問件数が増えることはありますが、退勤時間は変わらないので、子どものお迎えがある日も助かっています。
病院での看護と訪問看護の一番の違いはなんですか。
生活と治療、どちらを優先するかが逆になります。病院は治療が優先されるので、我慢していただくことが多くなります。誤嚥の危険がある方には、口から食べたいという希望があっても止めていただくのです。一方で訪問看護なら、同じ方でも、訪問診療の医師と話し合って、ゼリーとプリンだけは口から食べる、という形にできます。治療のために生活を変えるのではなく、生活に合わせて治療の形を決めていくのが大きな違いですね。
訪問看護ならではの難しさ・不安はありますか。
先ほどの話につながりますが、ご本人の希望を叶えるには、ある程度のリスクを引き受け、判断しなければなりません。しかも訪問するのは看護師一人で、病棟のように他のスタッフの目はありません。私が判断を間違えたら、ご利用者さんを危険にさらすことになります。訪問看護未経験のまま入社したので、そこはなおさら不安でしたし、今も難しいと感じているところです。
TEAM SUPPORT
多職種連携・サポート体制について
その不安や難しさを、どのように乗り越えましたか。
入社直後の1ヶ月間、先輩看護師との同行訪問があったことに助けられました。そこでは、靴の脱ぎ方や玄関での挨拶の仕方といった、本当に基本のところから教えてもらえました。また、3ヶ月ほどで自分も担当を持つようになるのですが、ケアが難しい方は、それまでの担当看護師が一緒に訪問して引き継いでくれました。その場で、看護の様子を見て教われるので安心でしたね。
一人で訪問するようになってから、判断に迷ったときはどうしていますか。
訪問看護はケアプランや医師の指示に沿って行いますが、その日の状態によっては、プランのまま実施してよいのか迷うことがあります。急ぐときは、他の看護師や責任者に電話をかけますし、訪問診療の医師に直接確認することもあります。
ほかにも、職種を問わず全員がつながっているチャットもあるので、その場で相談することも多いです。現場は一人ですが、あまり一人という感覚はありません。
他の職種とも連携するのですね。連携することで支援はどう変わりますか。
ご利用者さんの希望を、叶えられる範囲が広がります。あるとき、退院して自宅に戻った方から、自宅のお風呂に入りたいと言われたことがありました。ただ、転倒の心配もあり、私だけでは入って問題がないか判断がつきませんでした。
そこで理学療法士に相談したところ、事前に浴室に入り、浴槽をまたぐ動作や立ち座りまで確認してくれたんです。危ないところはないと分かったので、安心して入浴を介助できました。こうして連携することで、支援の幅が広がりましたね。

VALUE
訪問看護師として働く魅力
訪問看護師として働く中で、魅力を感じるのはどのような場面ですか。
当たり前のことかもしれませんが、担当しているご利用者さんが1週間、1ヶ月と、大きく体調を崩さずに過ごせたときです。訪問看護師は、その方の日常を守る仕事だと思っているので、何も起きなかったという結果が、一番嬉しいです。
印象に残っているご利用者さんはいますか。
末期がんで入院していた方が、家族と最期の時間を過ごしたいと言って、自宅に戻られたことがありました。本来なら病院で行う点滴や麻薬の注射を、自宅で続ける必要があるので、その管理は私たちが担います。取り扱いも厳しく、正直大変ではありました。それでも、ご利用者さんの「最期を迎えるまでの1ヶ月、家族のそばにいたい」「自宅で最期を迎えたい」という希望は叶えられた。あのときは、この仕事をやっていてよかったと思いました。
ご家族とも深く関わるのですね。印象に残っている出来事はありますか。
飲み込む力がほとんど残っていない男性を担当したときのことです。その方の奥様は何十年も手料理を作ってこられていて、最期までご自身の料理を食べてもらいたい、というご希望がありました。そこで、選ぶ食材やとろみの程度、一度に口に入れてよい量をお伝えして、なんとか食べられるように支援しました。最期まで奥様の手料理を召し上がっていただけたことは、お二人の一番の願いを叶えられたのではないかと思っています。
MESSAGE
向いている人・求職者へのメッセージ
今後、力を入れていきたいことはありますか。
終末期の、ご家族への関わり方です。訪問看護では、自宅で最期を迎えたいという方を担当することも多くあります。その際、私たちは「この方は残された時間が長くはない」と分かりますが、ご家族は「来月も一緒に過ごせる」と思われていることも多いです。
素直に伝えれば追い詰めてしまうし、伝えなければ心の準備ができないまま看取りを迎えてしまう。その兼ね合いがいまも難しいのですが、ご利用者さんとご家族が納得のいく最期を迎えられるような看護をしていきたいです。
グッドライフケアの訪問看護に向いているのは、どのような方だと思いますか。
誠実で、正直な人だと思います。訪問看護は、ご利用者さんやご家族に信頼していただけないと続けられない仕事だからです。訪問看護では、留守のあいだに鍵を開けて入り、寝たきりのご利用者さんのケアをすることもあります。それだけのことを任せていただくには、約束した時間に必ず伺う、報告すべきことを隠さず伝えるといった、当たり前を積み重ねて信頼を得るしかありません。派手なことではないですが、そこができる人が向いていると思います。
最後に、転職を考えている方へメッセージをお願いします。
私自身、グッドライフケアに入っていちばんありがたいと感じているのは、ライフスタイルが変わっても、変わらず働けていることです。子どもの都合に合わせて勤務時間を調整してもらえますし、急な休みも訪問スタッフ同士で調整がつきます。仕事を続けられるかどうかで迷っている方にこそ、ぜひ来てほしいと思います。